TOA の ALTEC 互換品

投稿日: カテゴリー: Live AUDIO

1960年代 ALTEC 製品の輸入は阪田商会(現在のサカタインクス・海外事業部はシークス㈱に分離独立)が行っていました。そのころ輸入を担当者していた知人の話によると、当時 ALTEC スピーカーは高価なうえ輸送コストがかかるので、国内ではユニットだけを購入し、国産箱に入れて利用したいというニーズが強かったようです。

また輸入業者としてもユニットで輸入する方がマージンを取りやすく、その後総代理店になったエレクトリでは、国産箱を用意して輸入したユユニットを組み込んで販売していました。尤もこれは ALTEC に限らず、ジムラン(JBL)やTANNOY でも同様でした。

一方で国内のスピーカーメーカーも、この 市場に向けて商品を投入し始めていました。多くのメーカーが ALTEC  とよく似た形の大型スピーカーを製品化しましたが、その中でも TOA の動きは際立っていたように思います。

TOA  の製品には ALTEC製品と完全に近い互換性がありました。ユニットの取付寸法だけでなく、ウーファーに使われているコーン紙や HF ドライバーのダイアフラム(振動版)の規格もALTEC と同じです。このため、TOA のドライバーに ALTEC のホーンを取り付けたり、TOA のドライバーのダイアフラムを ALTEC 互換品として販売されているものに交換する事ができます。

という訳で、当方では ALTEC と TOA とをほとんど区別せず混在させて利用しています。そこでこの ALTEC と互換性のある TOA 製品をいくつか紹介したい思います。

ALTEC との互換性が高い TOA Gシリーズ        仕様書検索

ALTEC と良く似た形の製品がラインナップされている。しかし高音部にはセクトラルホーンではなく、ラジアルホーンが使われえいる。また GS-1 と GS-2 は 3 ウェイ。GS-3 は30cm ウーファーを使って A7 を小型化した、ALTEC には無い製品。当方ではこの GS-3 のエンクロージャー LSC-711 を利用している。そして GS-10 は GS-3 のユニットを、小さな箱に詰め替えたような製品。


* 上図は TOA 株式会社の仕様書から転載

HLS-3806
GS-1/GS-2 の38cm ウーファー

ALTEC 515 シリーズを想わせる外観。ALTEC の 16インチフレームと同じマウントサイズ。515用のリコーン用コーン紙と見比べても形状に違いは見当たらず、そのまま使えそうに見える。音質バランスは 515 よりも低音寄りの印象。

HFD-651 と HRH-851
GS-1/GS-2 の 高音ユニット

貴重な 1.4 インチスロートのラジアルホーン。メトリックのネジが使われているが取付ピッチは同じであり、ホーン・ドライバーともに ALTEC との互換性がある。ダイアフラムは ALTEC のラージフォーマット用のもの が使える。

GS-10 と 30-SD

GS-10 は G シリーズ唯一のステージモニター。ウーファーは 30cm の HLS-3006 で高音ホーンは HRH-311低音部・高音部ともにユニットのクオリティは高く、たいへん高音質。30-SD は別シリーズだが、同じ HF ドライバーとホーンが使われておりこれも音が良い。30-SD のウーファーにはプレスフレームの、コストダウンされたものが使われている。

GS-10 に使われている HRH-311 と HLS-3006

GS-10 に使われているユニット。高音ドライバーの品名は不明だが、ホーンはスロート径 22mm の HRH-311 で ドライバーの取付ピッチは ALTEC のスモールフォーマット( 1 インチスロート)と同じ。ダイアフラムは ALTEC と互換性がある。ウーファーの HLS-3006 は ALTEC 414 と同じマウントサイズに見える。

このように TOA 製品には ALTEC 製品との互換性があるものが多く、たいへん重宝しています。これらを入手して試してみるとどれも音が良く、これこそが「正しく進化した ALTEC の姿」なのではないか?と思ってみたりしています。