伝家の宝刀 – ER12S と EVM-12S

投稿日: カテゴリー: Live AUDIO

首尾よく手に入れたスピーカーの音が、期待通りで無い場合が良くあります。中音が痩せている事が多く、そのような場合にはウーファーを交換します。この対策に使うウーファーは ALTEC の ER12S という名の 楽器用のユニットで、ElectroVoice 社からも EVM-12S  SerieasⅡ(以下 SerieasⅡの表記を省略)の名で販売されていました。ほとんどの場合、これに交換するだけで使える音に一変します。

写真の右側のユニットが ER12S で左が EVM-12S Power Line。
EVM-12S Power Line は組込用の為ラベルが貼られていない。
Power Line ではない EVM-12S  と ER12S は 同じものと
されていますが全く同じではなく、 ER12S には
フランジ部の裏側にもガスケットがついています。

実は当方では元々、このスピーカをピュアオーデイオ用のミッドバスとして使っていました。これを使うようになったのは、スピーカーの自作で有名な新井 悠一氏が、同シリーズの 10インチユニット(EVM-10M)を使われていたのがきっかけでした。実際に使ってみると、中高域がに張りがある上にクリー-ンで、ALTEC の大型ホーンとの繋がりも良好でした。そこでいろいろと調べてみると 1980 年代に販売されていた ALTEC や ElectroVoice 製 12インチ PA スピーカーに使われていたウーファーは、ほとんどこの ER12S/ EVM-12S  である事がわかりました。

そうにような訳で、このユニットが使われているスピーカーを入手したり、このユニットをチューニングに利用するようになりました。そしてその結果、今やこのスピーカーの音がすっかりマイスタンダードになってしまっています。

1980年代の後半、この 12インチ(30cm)ウーファーは、多くの市販スピーカーに使われていました。

ER12S は次のような ALTEC 製品に使われていました。

ALTEC 9872-8A

Spec.
Woofer:ER12S
HF Driver:902 Type
HF Diaphragm:34647
HF Horn:MR931-12
Crossover frq.:3000
Sensitivity:99.5db
Power Handling:150W

ALTEC 937 Monitor

Spec.
Woofer:ER12S
HF Driver:908 Type
HF Diaphragm:34726  Symbiotik
HF Horn:MR931-12
Crossover:frq. 3000
Power Handling:150W
Sensitivity:99db

また EVM-12S は次のような ElectroVoice 製品に使われていました。

Spec.
Woofer:EVM-12S pro Line
HF Driver:DH3/DH2010A
HF Horn:HT94
Crossover frq.:1.600Hz
Sensitivity:101.5db
Power Handling:300W

ElectroVoice FM1202 ER

Spec.
Woofer:EVM-12S pro Line
HF Driver:DH3/DH2010A
HF Horn:HT94
Crossover frq.:1.600Hz
Sensitivity:101.5db
Power Handling:300W

ElectroVoice SX200

Spec.
Woofer:EVM-12S pro Line
HF Driver:DH3/DH2010A
HF Horn:
Crossover frq.:1.500Hz
Sensitivity:101.5db
Power Handling:300W

S1202 ER のクロスオーバーネットワーク

S1202 ER / FM1202 ER/ SX200 の 3機種共に、ウーファーと HF ドライバーは同じものが使われています。そして S1202 ER と FM1202 ER はキャビネットの形状以外は同じで、それぞれに ” ER “の付かない旧バージョンが存在します。またこれらの 3製品に使われているウーファー”EVM-12S Pro Line” は EVM-12S のハイパワー版です。そして SX200 には、イコライジングの為の 専用プロセッサ XP200A が用意されていました。

当方のオリジナルシステムにもこのウーファーを使っています。

ここまでに紹介したような既成品だけでなく、当方オリジナルのスピーカーシステムでもこのER12S/ EVM-12S  を使っています。

大きなスピーカーの上にセットされている SX200 のウーファーはもちろん EVM-12S ですが、その下の大きなフロントロードホーンとバックロードホーンのにも ALTEC 版の ER12S を使っています。

大型の金属ホーンとの音質的な繋がりを持たせる為には、ウーファーにも明るく張りのある中高音が必要です。しかし ER12S / EVM-12S 以外には、なかなかこのような音のスピーカーが見つかりません。JBL や EV のユニットを色いろ試してはみるのですがどれもしっくり来ず、結局はこのユニットに戻ってしまいます。

この他、Classic Pro CP12Ⅱのウーファーも ER12S に交換してあり、あたりはこにユニット 一色に染まっています。まさに伝家の宝刀を抜きっぱなしの状態が続いています。