統合化への方向性を明確にした EDA/Client の完成形
販売時期 | 製品・バージョン名 | 備考 |
1991 – 1993 | Advanced Schematic/PCB 1.x | Protel 最初のWindows 版製品 |
1993 – 1995 | Advanced Schematic/PCB 2.x | Schematic/PCB 1.x の改良版 |
1995 – 1998 | Advanced Schematic/PCB 3.x | EDA/Client 統合環境の導入 |
1998 – 1999 | Protel 98 | Schematic/PCB 3 の32ビット化 |
1999 | Protel 99 | DsignExplorer 統合環境の導入 |
2000 – 2005 | Protel 99 SE | Protel 99 の改良版 |
2003 – 2004 | Protel DXP | DXP 統合環境の導入 |
2004 2005 | Protel 2004 | Protel DXP の改良版 |
名前のとおり 1998年 2月にリリースされた、Protel V3 の改良版です。このバージョンでは、今まで独立していた Advanced Route 3 が EDA/Client のサーバとして組み込まれた事以外には目立った機能の変更は行なわれず、プログラムの32ビット化とバグの修正にに焦点が絞られました。
その結果、Protel V3 よりも安定かつ高速に動作するようになりました。表面的には極めて地味な新バージョンであるにもかかわらずその堅牢さが受け入れられ、10年たった今でもまだかなり使われています。
一方、マーケティング面においてはこのリリースを機に個別ツールから統合ツールへの転換が開始されました。商品名にもこの方針が反映され、統合版にProtel 98 という社名を冠した商品名が与えられました。そしてこれを主力商品とし、個別ツールはProtel 98 のサブセットという位置づけになりました。。
また、個別ツールから統合版 Portel 98 へのアップグレードを安価に設定することにより、統合版 Portel 98への誘導が図られました。その結果 Portel 98 へのアップグレードの注文が殺到し、リリース後2ヶ月間の Portel 98の 売上げはそれまでの半年分に相当する金額に達するほどでした。(日本国内の状況)
このように Protel 98 では、マーケティング面でも統合ツールに誘導する為の施策が施され、Protel 98 での 統合路線への転換は成功を収めました。
一方個別商品に目を向けて見ると、競合商品である OrCAD Capture の改良が進んだことで、回路図エディタの選択枝が広がってきているという状況でした。Windows版回路図エディタはプロテルしかないという時代はすでに過ぎ去っており、回路図エディタの売上げを維持するためには何らかの施策が必要な状況でした。
なお Portel 98 のファイルフォマットは Protel V3 から変更されていません。この Portel 98 で使用されているPCB 3 フォーマットは、現在のAltium Designer 6でも読み書きがサポートされていますので、両者の間で PCB データを双方向でやり取りするこができます。
また Protel 98 についてはまだ WEB 上にコンテンツが残っていますので興味のある方はご覧下さい。
EDA/Client Protel 98 製品仕様 Protel 98 レポートドキュメント