Altium Designerと歴代のアルティウム製品 は こちら に移転しました。
Protel の始まりと市場への浸透
Altium(アルティウム)は Protel(プロテル)DOS ツールの投入により創業し、早期に Windows ツールを投入することによって今あるトップブランドの地位を築きました。
DOS版 PCBツールで創業、Windowsで飛躍
Altium(アルティウム)の前身、プロテル社は 1985年ニック・マーティンにより、オーストラリアのタスマニアで設立されました。ニック・マーティンはタスマニア大学の依頼を受け、高価な UNIX ベースの CAD ツールの代用品とし、安価な DOS PCB ツールの開発を始めました。このツールは翌年の 1986年には製品化されオーストラリア国内だけでなく、アメリカやヨーロッパにも輸出されるようになりました。当時この DOS 製品はは米アクセルテクノロジ社(後にプロテルが買収)に OEM 供給され、主にTango ブランドで販売されていました。
その後プロテルは 1991年に Windows で動作する最初の Protel Advanced PCB の出荷を開始し、DOS製品の開発を取り止めました。以後プロテルは Windows ベースの EDA ツールの開発だけに専念し、1992年の末には Protel Advanced Schematic の出荷を始めました。そしてその後プロテルは Windows CAD ツールのラインナップの充実と統合化を実現し、短期間に Windows 統合 CAD ールの業界標準の地位を獲得するに至ります。
さらにその後プロテルは本社をタスマニアから(米国を経て)シドニーに移し上場を果たした後、アルティウムに名社名変更します。そして引き続きハイエンドツールをしのぐ能力を備えた統合 EDA ツールを安価に供給することを目標に開発が続けられ、現在その範囲は FPGA 開発や組み込ソフトウェアの分野にまで広がっています。
成功を決定付けたキーコンセプトと製品
いち早くWindows にフォーカスすることにより「高性能を、安く、使いやすく提供する」という、あたり前の目標に取り組んだという先見性が、その後のプロテルの成功を決定つけたといえます。1991年にプロテル最初の Windows製品がリリースされた当時、MS-Windows はバージョン3.0 と 2.1 のランタイムバージョンが混在して使われていた時代で、ハードウェアも i386 ベースの非力なものでした。普通の人ならとてもこれが CAD のプラットホームに使えるとは考えなかったと思います。実際のところプロテル初期の Windows-PCB は当時主流の DOS製品と比べると、動作が遅く使いづらいものであったのも事実です。それでも Windows へのフォーカスを決めたという決断からは、創業者ニック・マーティン氏の非凡さがうかがえます。
このようにプロテル Windows 第一世代の、Advanced Schematic / PCB のバージョン1.x は時代を先取りしすぎた面もありました。このためマーケットに対しては挨拶代わりになりこそすれ収益には結びつかず、プロテルの経営を圧迫しました。
1993年のプロテル Windows 版のバージョン2.x のリリース後、この状況は一変します。Windows は 3.0 が定着し CPUも i486 が普通に使われるようになります。そしてこのプロテルのバージョン 2.x では機能の改良に加え、ハードウェアプロテクトが取り払われました、そしてその結果プロテル Windows ツールは極めて魅力的な製品に様変わりし、飛躍的に売り上げを伸ばします。そしてその後の 1995年に発売され、プロテルの統合化のさきがけとなった Advanced Schematic / PCB のバージョン3 は全世界で爆発的に売れはじめます。尤もこの頃は、DOS 版のトップブランドである OrCAD に Windows製品が無く、市場に存在する唯一の Windowsツールとしてプロテルが売れて当たり前というのが当時の状況だったと思います。
バージョン3 とEDA/Client、そしてProtel 98
バージョン 3 により現在の、プロテル統合ツールの基盤が確立されたといえます。プロテルのこのバージョンは製品自体も良く売れましたがそれ以上に、EDA/Client という統合プラットホームの開発と、Schemtic、Simulator、PLD、PCB、Route という一連のラインナップが出揃った事による、技術および営業面での意義は多大なものがあります。しかし製品の実用面から見るとまだなだ PC ハードウェアが非力であり、機能よりもレスポンスの良さを求めて、プロテルの古いバージョンを使い続けるユーザも多数存在しました。
そしてその後の 1998 年には、プロテルのバージョン 4 の製品として、Protel 98 がリリースされました。これは、 バージョン 3 のプログラムを 16 ビットから 32 ビットに拡張しただけもので、機能の追加はほとんど行われませんでした。しかしこの結果、動作は安定かつ高速になり、実用性の向上を求めるユーザの大きな支持を得ることができました。またこのバージョンからプロテルの統合化への志向が強まり、回路図エディターなどの単体ツールの積極的なセールスが控えられはじめました。
実用性が向上したこの Protel 98 は、EDA/Client 環境の完成版としての評価が高く、今でも現場で使われているのを見かけます。そしてその後 Protel 99、Protel 99 SE、Protel DXP、Protel 2004 がリリースされ、さらにその後ブランドを Altium に変え、現在も進化し続けています。
日本国内での販売
現在アルティウムのマーケティングは、日本国内の常駐スタッフと株式会社エー・ディ・ティによって行われています。そしてそれ以前はアルティウムジャパン(プロテルジャパンから社名変更)、さらにその前はテクスパートがプロテルの国内の販売元でした。このあたりまでの経緯をご存知の方はおられると思いまが、それ以前にもプロテルは国内販売されていました。最初のプロテルの販売元は、イー・ティ・シーを中心とした 3社連合、次に日商岩井システック、そしてO.I.M、アルマティックと続き、その後テクスパートに辿り着きます。しかしこの間のプロテルの露出度は多くなく、プロテルがエンジニアの目にとまる機会は少なかったように思います。
プロテルがテクスパートへにたどり着いたのは1992年。Wesconで Advanced Schematic 1.0 がプロテルブースに展示されたのがきっかけでした。実質的には、プロテルの日本への上陸はこの時だったといえます。当時、時代はすでに Windows への流れを明確にしつつありました。プロテルの方向性はこの流れに沿うものであり、そのれはゆるぎの無い選択のように見えました。
このときからテクスパートはプロテルの将来性に期待し、持てる限りの体力を振り絞ってプロテルの宣伝を行います。その結果、1年あまり後に販売が開始された Advanced Schematic / PCB 2.0 からは、順調に売り上げが伸び始め、バージョン3 の末期には新規販売だけで毎月 100-150本がコンスタントに売れるようになりました。外部の CAD関係者からは見るとこの状況は、プロテルが飛ぶように売れていると映ったことでしょう。しかし、私たちにはまだその売れ行きに満足してはいませんでした。尤もこれは Windows バブルの頃の話しであり、もう二度とこんなにたくさんに売れる時代はやってこないように思います。
その後の 1998年 4月、Protel 98のリリース直後に、テクスパートからプロテルジャパンにプロテルの販売業務が移管されます。テクスパートはプロテルをベストのポジションで新会社に引継ぐ事に成功し、無事その役目を終えます。この約 3年後プロテルはアルティウムに社名を変更し現在に至ります。
このように振り返ってみると、プロテル社の創業以来すでに 30年を超えており、その間大きな変遷がありました。そして今では初期に活躍した会社もスタッフもほとんどが姿を消しまっています。しかし創業者ニック・マーチンの全てのエンジニアに「ハイエンドの機能をローエンドの価格で提供する」という意思は変わることなく引き継がれており、極めてコスト・パフォーマンスの高い CADツールが提供され続けられています
Altium の足跡
Altium Designer 14は、Altium Designer 2013 の 後継製品であり、 Protel の発売以来の続けられてきた Altium の CAD 開発の集大成でもあります。
この間 Altium は Windows CAD 先駆者として業界をリードし続けてきており、この Altium の CAD ツールの進化は Windowa CAD ツールの進化そのものであるといっても過言ではありません。
そこでその足跡をまとめてみました。
販売時期
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製品・バージョン名
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考備
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1991 – 1993 |
Advanced Schematic/PCB 1.x |
Protel 最初のWindows 版製品 |
1993 – 1995 |
Advanced Schematic/PCB 2.x |
Schematic/PCB 1.x の改良版 |
1995 – 1998 |
Advanced Schematic/PCB 3.x |
EDA/Client 統合環境の導入 |
1998 – 1999 |
Protel 98 |
Schematic/PCB 3 の32ビット化 |
1999 |
Protel 99 |
DsignExplorer 統合環境の導入 |
2000 – 2005 |
Protel 99 SE |
Protel 99 の改良版 |
2003 – 2004 |
Protel DXP |
DXP 統合環境の導入 |
2004 – 2005 |
Protel 2004 |
Protel DXP の改良版 |
2006 – 2008 |
Altium Designer 6 |
Protel 2004の改良とブランド変更 |
2008 |
Altium Designer Summer 08 |
新戦略 -半年毎のアップグレード |
2009 |
Altium Designer Winter 09 |
大華な値下げを実施 |
2009 – 2011 |
Altium Designer Summer 09 |
オンデマンドライセンスの登場 |
2011 – 2012 |
Altium Designer 10 |
AltiumLive ライセンス管理の導入 |
2012 – 2013 |
Altium Designer 12 |
Altium Designer 10 の名称変更 |
2013 |
Altium Designer 2013 |
Altium Designer 12 の名称変更 |
2013 – 2014 |
Altium Designer 14 |
フレキシブル基板対応等の新機能 |
2014 – 2015 |
Altium Designer 15 |
xSignal、Gerber X2 の追加 |
2015 – 2016 |
Altium Designer 16 |
配線クリアランスの可視化 |
2016 – |
Altium Designer 17 |
Active Route – 半自動束線配線 |
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Windows 前夜 – Autotrax と Easytrax
Protel DOS 版 PCB-CAD ツール
アルティウム/プロテルでは 1991年に最初の Windows 製品である Advanced PCB 1.0 .をリリースするまでは、DOS 製品を販売していました。
1986年に最初の DOS 製品がリリースされた後 1989 年に DOS 世代最後の製品である Autotrax に至るまでにいくつかのバージョンが存在しますが、Autotrax がリリースされるまでは日本に代理店はありませんでした。Autotrax のリリースに合わせて日本に代理店が設定されました。そして日本市場への参入に際して、IBM-PC 版だけでななく PC-98 版も用意されました。EMS がサポートされていたので大きな規模の基板の設計が可能でしたが、データ幅が 16 ビットでしたので、ピン間 3 本に基板の設計はできませんでした。
Windows 版の Advanced PCB がリリースされた後も、Autotrax は DOS Pack の名称で販売が継続されました。DOS Pack は、Autotrax と DOS Schenatc がセットにされたもので、価格は 98,000 円と大変安価に設定されていました。また、リリース直後の Autotrax にはドングルと呼ばれるセキュリティデバイスによるコピープロテクトがおこなわれていました。しかし1993 年に販売が開始された DOS Pack では このドングルが取り払われました。
また、Autotrax の前に PCB 3 という PCB ツールがあり、これが ACCEL 社に OEM 供給され Tango Series I として販売されていました。現在、このAutotrax と その直前のバージョンである Easytrax (おそらく PCB 3 と同じもの)がフリーソフトとしてアルティウム社から無償で提供されており、Altium TechDocs サイトからダウンロード できます。
そしてその後、最後の DOS 製品である Autotrax は Microcode 社にライセンスされ、Microcode 社によって Windows に移植されて TraxMaker という商品名で販売されます。このTraxMaker と Autotrax の PCB ファイルは互換性がありました。
アルティウム/プロテルでは DOS 版の開発を打ち切り、これ以後 Windows にフォーカスされることになり、1991年に世界で最初の Windows PCB ツールである Advanced PCB 1.0 をリリースします。
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Protel Advanced Schematic/PCB 1.x
世界初の Windows PCB ツール、初代 Protel for Windows
DOS 版 PCB-CAD の開発を打ち切った後の1991年に世界初の Windows PCB ツールとして Advanced PCB 1.0 がリリースされました。
この Advanced PCB 1.0 のリリース直後、国内では積極的には販売されず、その 翌年の Advenced Schematic 1.0 のリリースと同時に、国内での本格的な販売が始まりました。
Advenced Schematic 1.0 では、 OrCAD SDT のWindows 版というコンセプトが明確に打ち出され OrCAD ファイルを双方向に読み書きすることができました。また画面デザインも非常にセンスよくまとまっていました。しかし残念なことに、OrCAD SDT と同様、回路図上に日本語を書き込むことができませんでした。一方、これと対を成す Advanced PCB はこの頃すでに Ver. 1.5 にアップデートされていました。
Advanced PCB 1.5 では、32 ビットのデータベースによる 0.001 mil の分解能の実現と、無制限のデータベースサイズのサポートにより、極めて精細度の高い基板や大規模な基板の設計が可能になりました。しかし、パッドスタックがサポートされていないことや、Polygon Pourを同一ネットのパターン上に重ねて配置できない点など、プロフェッショナルな用途には不十分な部分も残っていました。また当時のひ弱な PC プラットフォームでは描画速度が遅く、充分なパフォーマンスを得ることはできませんでした。
また、Advanced Schmatic および PCB の双方ともドングルによりプロテクトが行なわれていましたので、IBM PC 用ドングルにアクセスできない PC98 環境では使用することができませんでした。
当時この Advanced Schmatic 1.0 および PCB 1.5 には Protel for Windows というファミリー名が与えられ、ここから 「Windows のプロテル」がスタートしました。
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Protel Advanced Schematic/PCB 2.x
実用性が向上した、2代目 Protel for Windows
Protel Advanced Schematic/PCB 2.x は、以前の1.x の改良版として 1994 年の 2 月から 3 月にかけてリリースされました。
新しい回路図エディタ Advanced Schematic 2.0 では、TrueType による日本語、タイトルブロックのカスタマイズ、他の Windows アプリケーションとのクリップボード経由でのコピーアンドペーストが可能になりました。また Advanced PCB 2.0 では、Porigon Pour の改良、パッドスタックのサポート、画面上でのオンライン編集機能、PADS 2000 の読み込みなどが実現しました。またリリース後まもなく、Schematic と PCB の両方ともドングルによるコピープロテクトが廃止され、なんら手を加えること無しに PC 98 環境で使用することが可能になりました。さらに、Advanced PCB から自動機能を省いた Professional PCB という名前の 大変お買得な製品もラインナップされていました。
当時の PC プラットフォームはまだまだひ弱でしたので、安定性や処理速度に不満が残りました。しかし上記のような基本機能の改良により、実用性は大幅に向上しました。
Protel for Windows 2.x は 次の Ver.3 がリリースされるまでの間、0.1 刻みの小刻みなリビジョンアップが繰り返されました。特に PCB では頻繁にアップデートが行なわれ、その結果バージョン番号は 2.8 まで達しました。またこのPCB 2.8フォーマットは、現在の Altium Designer 6でも読み書きがサポートされていますので、両者の PCB データを双方向でやり取りするこができます。
プロテル製品の販売はこの Protel Advanced Schematic/PCB 2.x のリリースによって急速に伸びました。そして、Protel Advanced Schematic/PCB 2.x は 「Windows CAD ツールのリーディングプロダクト」として、 Schematic 3 (1995 年 9 月) とPCB.3 (1997年 2 月)がリリースされるまでの間、大量に出荷されました。
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Protel Advanced Schematic/PCB 3.x EDA/Client
統合環境を導入した、3 代目 Protel for Windows
Advanced Schematic 3 と Advanced PCB 3 は、従来の Ver.2 の延長線上で改良されたものではなく、 EDA/Client という斬新なシステムをベースにして作り変えられた革新的な製品でした。この EDA/Client はそれまでバラバラに提供されていた複数のEDAツールを一体化するための統合環境であり、これ により異なる種類の EDA ツールを共通のユーザインタフェイスで使用できるようになりました。
従来のプロテル製品では、回路図入力と PCB レイアウトでは、別々のプログラムを起動することが必要でしたが、この新しい EDA/Client が導入されたことのより、一つのプログラムを起動するだけで、回路図入力と PCB レイアウトの両方の作業ができるようになりました。
実際に製品がリリースされたのは、Advanced Schematic 3 が 1995 年 9 月で、OrCAD Capture の最初のバージョンのリリースとほぼ同時期でした。また Advanced PCB 3 のリリースは 1997 年 2 月で、当初の予定より 1 年以上も遅れました。
EDA/Client はツールを統合するだけでなく、カスタマイズ機能も提供しています。このカスタマイズ機能によりメニューの日本語化が可能になったほか、マクロ言語がサポートされ、オルグシステムズからはこのマクロ言語を使ったライブラリプレーサが提供されました。
エディタの編集機能の改良については、Schematic と PCB ではアプローチが異なりました。Schematic 3 では編集機能の改良を最小限にとどめ EDA/Client の新機能によって新規性を創出していたのに対して、PCB 3 ではPCB 編集機能そのものに大幅な改良が加えられていました。
PCB 3 はルールドリブンのシステムに変更され配線機能もインテリジェントに改良されました。しかしその反面非常に動作が遅くなりました。当時、ハードウェアは急速に進化ていましたが、PCB 3 の重量化を補うことはできませんでした。このため描画レスポンスや安定性においては以前の Ver.2.x に一歩譲る面はありましたが、新しい統合環境が受け入れられユーザの数は右肩上がりに増えてゆきました。
なおこの PCB 3 フォーマットは、現在の Altium Designer 6でも読み書きがサポートされていますので、両者の間で PCB データを双方向でやり取りするこができます。また Protel V3 についてはまだ WEB 上にコンテンツが残っていますので興味のある方はご覧下さい。 Windoes PCB-CAD 導入ガイド Protel V3 サポートドキュメント
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Protel 98 と Advanced Schematic/PCB 98
統合化への方向性を明確にした EDA/Client の完成形
Protel 98 と Advanced Schematic/PCB 98 は 1998 年 2月にリリースされた、Protel Ver.3 の改良版です。このバージョンでは、今まで独立していた Advanced Route 3 が EDA/Client のサーバとして組み込まれた事以外には新たな機能の追加は行なわれず、プログラムの 32 ビット化とバグの修正にに焦点が絞られました。
その結果、Protel V3 よりも安定かつ高速に動作するようになりました。表面的には極めて地味な新バージョンでしたがその堅牢さが受け入れられ、10 年たった今でもまだ多く使われています。
一方、マーケティング面においてはこのリリースを機に個別ツールから統合ツールへの転換が開始されました。商品名にもこの方針が反映され、統合版にProtel 98 という社名を冠した商品名が与えられました。そしてこれを主力商品とし、個別ツールは Protel 98 のサブセットという位置づけになりました。
なお Portel 98 のファイルフォマットは Protel Ver.3 から変更されていません。この Portel 98 で使用されている PCB 3 フォーマットは、現在の Altium Designer 6 でも読み書きがサポートされていますので、両者の間で PCB データを双方向でやり取りするこができます。また Protel 98 についてはまだ WEB 上にコンテンツが残っていますので必要な場合にはご覧下さい。 Protel 98 製品仕様 Protel 98 サポートドキュメント Protel 98 当時のカタログ
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Protel 99 と Protel 99 SE
ポータビリティの良い DDB 統合データベースが導入されたロングセラー
Protel 99 は 1999 年 4月にリリースされ、同年の 12 月に 99 SE にアップデートされた後、2005 年の 3 月末までの 6 年間にわたり販売 が続けられました。後継の Protel DXP や Protel 2004 がリリースされた後も販売が続けられた超ロングセラーモデルです。
この製品は以前の Prtoel 98 のマイナーチェンジではなく、統合プラットフォームが大きく変更されされたほか、新たに伝送線路シミュレータが追加された新製品です。
Protel 99 の統合環境は EDA/Client から Design Explorer に変更され、これに合わせて Microsoft Jet エンジン を利用した新しい統合データベースが導入されました。この新しいデザインデータベース(DDB)は全てののデザインデータを一つのデザインデータベース保存できるため、大変ポータビリティが良い反面、ファイルが壊れた場合全てのデータを失うという危険性もありました。またJet エンジンのアクセスコントロール機能を利用したプロジジェクト管理機能が備えられていました。
Protel 99 に新たに加わった伝送線路シミュレータは旧 INCASES Engineering 社の SI Workbench を組み込んだもので、現在の Altium Designer 6 と同等のものです。また、アナログ/デジタル混在シミュレータは以前用いられていた Dolphin Integration 社の SMASH から Microcode の XSpice 3f5 ベースのものに変更されました。
また回路図エディタ、PCB とも編集機能の改良は旧製品に対する上位互換が維持されており、旧製品のユーザであれば違和感無く使用できました。また部品シンボルに Unique ID 属性が追加され、デザインデータ間相互のリンクが強化されました。これにより回路図と PCB との間のデータの受け渡しがネットリストファイルではなく、Update – PCB/Schematic のコマンド操作によって行なわれるようになりました。またこの製品から、ロングファイル名と日本語ファイル名がサポートされたことも見逃せません。
そして 1999 年 12 月の Protel 99 SE へのアップデートでは、それまで要望が強かった層数の追加が行なわれ、信号層が 16 から 32、内層プレーンが 4 から 16、メカニカル層が 4 から 16 に増やされました。この 99 SE へのアップデートはマイナーチェンジとして扱われ、Protel 99 ユーザに無償提供されました。
また、この製品はライセンスがピア・トゥ・ピアでフローティングするように作られており、全てのユーザにフローティングライセンス仕様の製品が提供されました。また、統合版を購入しても Schematic/PCB 等の個別ツールのライセンスをバラバラに使用できましたので、設計者が作業を分担する場合には大変便利なものでした。
マーケティング面では、より明確に統合ツールへの方向性が打ち出されました。例えば回路図エディタの商品名は、従来の Advancrd Schematic 98 から Protel 99 Schematic に変更され、個別の回路図エディタ は Protel 99 統合ツールのサブセットとしての位置付けがさらに明確化されました。
長期間販売されたこの Protel 99 SE には極めて多くユーザが存在しますので、Altium Designer では Protel 99 SE のデザインデータベース(DDB)と個別ファイルとの互換性に対しては、磐石なサポートが提供されています。
なおアルティウムジャパンではこの製品のサポートを終了しましたが、サポートドキュメント の提供は続けられています。
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Protel DXP と Protel 2004
大量に投入された新技術により飛躍的な進化を遂げた革新的な製品
Protel DXP ファミリーは、FPGA ハードウェアやソフトウェア開発ツールを始めとする、有力企業の買収で取得した技術を投入して開発されました。
また Protel DXP は、洗練された統合環境である DXP プラットフォーの導入により、ただ単にツールの種類を増やしただけのものではなく、ツール間における相互の緊密な連携が可能な一体化された製品にまとめられています。しかしその一方この Protel DXP 世代では、 回路図エディタをはじめとする 個別ツールがラインナップから外されました。
この流れはその後の Protel 2004 世代にも受け継がれ、アグレッシブに開発が続けられました。そして Nexer-Protel 2004 で基板設計と FPGA ハードウェア/ソフトウェア開発ツールを一体化した統合開発環境が完成します。そしてさらに改良が続けられ、Altium Designer 6 へと進化していきまます。 Protel 進化論 – Protel 2004 と 99 SEとの違い Protel DXP サポートドキュメント Protel 2004のサポートドキュメント
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Altium Designer 6
名実ともに Protel から Altium へ移行
前作の Protel DXP/2004 では、DXP プラットフォームや FPGA 開発環境の統合化などにより、プロテルツールは大きく進化しました。しかし、回路図エディタと PCB ツールの基本機能である作図や配線、そしその画面表示機能については大きくは改良されてはいませんでした。
この 作図/配線/表示機能を大きく進化させ、従来のプロテルツールとは大きく異なる製品としてブランド名が Protel から Altium に変更されたのがこの Altium Designer 6 です。
この Altium Designer 6 では、マニュアル配線に半自動モードが追加になり始点と終点だけのクリックにより、配線を完結できるようになりました。また差動ペアをサポートする配線機能が多数追加されています。さらに配線パターンにネット名が表示されるようになり、エデイターとしての基本機能が大きく進化しました。
このバージョンからは商品構成が変更され、現在の基本セットと拡張セットの形じ一歩近づきました。そしてこれにあわせて値上げが行われ、高性能をそれに見合った価格で提供するという路線にシフトしました。
この Altium Designer 6 は Summer 08 がリリースされるまでの 30ヶ月以上にわたっって販売されました。そしてその末期の Altium Designer 6.8 では新しい SD 表示機能が追懐され立体画像による PCB の断面や実装状態の表示が可能になり、メカニカル CAD と連携能力も飛躍的に向上しました。
このように、Altium Designer 6 では 大幅な改良とプランド名の変更により、名実ともに Protel から Altium はの移行が行われました。 Protel から Altium Designer へ
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Altium Designer Summer 08
ハイエンドを志向した、更なる多機能化と価格の上昇
このバージョンでは前作 Altium Designaer 6 以来のハイエンド志向に基づいて、さらなる多機能化が図られています。また商品構成の変更とともに値上げが行われ、拡張セットのフローティング版が、約250万円に達しました。
機能的に全く新しいものは多くありませんがそれでも Design Insight機能と呼ばれる、デザイン情報をビジュアルに取得・表示する機能や Output JOB による部品表 の PDF 出力、3D のよるオンライン DRC、Allegro の読込機能など、なかなか盛りだくさんの新機能が提供されています。またこのバージョンのリリースにあわせて Innovation Station のコンセプトのもと、 FPGA 開発環境の充実が図られました。
またこのバージョンでは、これらの新機能に加え商品構成も変更され、ラインナップは現在の、基本セットと拡張セットの 2種類に集約されました。
さらに、アップグレードのスキームにも新しくなり 1年に 2回の新バージョンの提供が約束され、これにあわせてバージョン名も”Summer 08″ となり 2008年の夏のリリースであることを直接表現するという形になりました。
そして、記憶に新しのはこのリリースの直後に起こったリーマンショックと、間接販売への移行です。今まで行われていた、アルティクムジャパンからの商品の直販は取りやめられ、全て代理店による間接販売に移行しました。 Altium Designer は “6” から “Summer 08” へ
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Altium Designer Winter 09
Summer 08 のマイナーなアップデート
Winter 09 は年 2回のアップグレードの約束が履行され Summer 08 のリリース後、約半年でリリースされました。しかしその内容は、期間が短かったた事もあり目立った新機能はほとんど無く、Summer 08 のマイナーアップデートに近いものでした。とはいうものの、すぐに役立つ実用的な新機能もいくつか含まれており、Digi-Key などのディストリビューターも持つ部品データーベースとのリンク機能が提供され、価格などの最新を自動的に Altium Designer から出力される部品リストに反映させることも可能になりました。
この Winter 09 のリリースでは、これに前後して実施された販売体制とキャンペーンが、衝撃的ともいえる大きなインパクトを与えました。Winter 09 のリリース直後の 2月には、かねてより進められていた間接販売への移行が終わり、 五反田にあったアルティウムジャパンの事務所が突然閉鎖されました。これはまさに晴天の霹靂でした。そして、翌月の 3月にはにわかには信じがたい 180,000円という超低価格で Winter 09 にアップグレードできる、衝撃的なキャンペーンが開始されました。このキャンペーンはどのような旧バージョンからでも定価の 10分の 1以下の価格で Winter 09 拡張セットを入手できるというもので、リーマンショックの影響による売上げの落ち込みを一気にカバーできるほとの成功を収めました。
このように、Winter 09 は価格上昇により Altium から離れかけていた旧 Protel ユーザーを一気にひき戻すバージョンでもありました。
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Altium Designer Summer 09
新しいライセンス認証システムの導入と大幅な値下げ
この Summer 09 でもは年 2回のアップグレードの約束が履行され Winter 09 のリリース後、約半年でリリースされました。開発期間が短かいわりには新機能が多く、メカニカルレーヤが 16層追加され合計32層に増えた他、アセンブリーバリアントにより、仕向け地や製品のバリエーションによよる仕様の違いを、単一のドキュメントに反映させることができるようになりました。
また、エディタの新機能よりも利便性に影響を与えたのは、新しいライセンス管理システムとオンデマンド・ライセンスタイプの導入であるといえます。クラウドコンピューティングを大幅に取り入れ、インターネットにさえ接続で切れば、1つのライセンスを世界中のどこにいても共用することができるようになりました。
さらに、この Summer 09 では従来の約 5分の 1という大幅な値下げが行われました。このことはライセンスが 5倍売れなければ値下げ前の売上げを維持できないことを意味し、当時それはありえないことのように思われました。しかしこれはうれしい誤算であり、意外にも売上金額は増加しました。このように Summer 09 は爆発的とも言える売上げを記録し、結果的にはこの値下げは成功しました。
またこのリリースにあわせて、安価な FPGA 開発ボードとして Nanoboard 3000が用意されました。
この Summer 09 はその後 2年半以上メジャーアップグレードは行われず、2011年の 3月まで Summer 09 pまま販売は継続されました。
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Altium Designer 10
クラウド技術を多用した新しいプログラム管理システムの導入
Summer 09 以降、年に 2回のアップグレードスキームは消滅し、この Altium Designer 10 はSummer 09 から 1年半以上経過した 2011 年 3月にようやくリリースされました。
高速回路に対する対応や束線配線機能などの編集機能が強化されていますが、主な新機能として充実した機能を持つドキュメント管理機能が提供されました。
またこの Altium Designer 10では、Altium Designer プログラム中に、プラグインの追加と更新のための専用ページが設けられ、プラグインの追加/削除とプログラムのアップデートを全てここで行うようになりました。この機能を利用でして、毎月アップデートが提供されるようになり、Altium Designer 12 に移行しりまでの間 18回のアップデートが提供されました。
このようなシシテムの変更により従来アシュアランスと呼ばれていた保守契約の名称が、サブスリプションに変更され、契約によって生じるアップグレードの権利が精密に管理されるようになりました。また AltiumLive アカウントによりライセンスの一括管理が可能になりました。
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Altium Designer 12
Altium Designer 10 の名称変更
Altium Designer 10 以降は毎月小刻みなアップデートがくりかえされようになり、新バージョンにあわせて新機能が提供されるいう従来の仕組みは消滅しました。よってこの Altium Designer 12 はAltium Designer 10 以降 18回のアップデートにより、大きく進化した事を証明するための名称変更のようなものであり、Altium Designer 10 の最後のリビジョンと Altium Designer 12 の最初のリビジョンは、全く同じリビジョンです。
このAltium Designer 12 は 2012年の 5月にリリースされた後も毎月のアッデートにより進化し続けましたが、2013年 2月の Update 25 以降は Altium Designer 2013 に名称が変更されました。
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Altium Designer 2013
Altium Designer 12 の名称変更
Update 25 のリリースにあわせて、名称が Altium Designer 12 から Altium Designer 2013に変更されました。これは Altium Designer 12 に移行後 7回目のアップデートとなり、この Update 25 での主改良点として以下の 6点がアナウンスされています。
- PCB オブジェクトとレイヤ透過設定
- ポリゴン用のOutline verticesエディタ
- ポートの高さとフォントコントロール
- Smart PDFドキュメントへのコンポーネントパラメータの追加
- Microchipタッチコントロールのサポート
- DXPプラットフォームの改善
また、この Altium Designer 2013 では値上げが行われ、3月18日から新価格が適応されました。
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Altium Designer 14
フレキシブル基板対応など多くの新機能
Altium Designer 14 ではフレキシブル基板のサポートや基板内に部品の埋め込みが可能になるなど多くの機能強化が行われ、レーヤースタックマネージャーがこれらの新しい基板構造のサポートしたものに一新されました。
この Altium Designer 14 はその後、14.1→14.2→14.3 とアップデートされ Altium Designer 15 がリリースされた後も更新が継続されました。また Altium Designer 14.3 ではプログラムが DVD ではなく USB メモリで提供されるようになりました。
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Altium Designer 15
xSignals による高速回路のサポート
セグメント単位で、高速デサインルールの設定が可能な xSignals が新に導入された他、次世代のガーバーフォーマットである Gerber X2 と IPC-2581 がサポートされました。さらに長方形角穴のサポートや Solder Mask Expansion の拡張などなど CAM 寄りの機能も進化しました。
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Altium Designer 16
配線中のクリアランス領域をリアルタイムに表示
3D STEP モデルが簡単に作成できる Wizard が追加された他、エンベデッドボードアレイが改良されました。また穴図に穴径誤差の記入、PADS Logic への回路図の出力が可能になりました。
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Altium Designer 17
Zuken(図研)cr5000インポーターを装備
BGA の束線配線が可能な ActiveRoute™ 半自動配線機能、インテジェントなベタエリア編集が可能な Dynamic Copper 機能などが追加された他、Zuken(図研)cr5000インポーターが標準装備されました。